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サービスを受ける人が「選ぶ」ということ

UPDATE

2018.08.23

皆様、ウーバーという最近流行りの配車サービスの事を御存じでしょうか。
日本ではタクシー業界からの反対もあり普及していないので、耳慣れないですが、海外では物凄い勢いで普及しており私も友人等から使ったよ、便利だよという声を良く聞きます。
彼女達は現地で便利という噂を聞いて、実際にネットを使って値段を調べ、安価で評判も良さそうだったので利用することにした、と言っていました。

こういった新しいサービスが出てくるタイミングは医療業界にもあるのですが、どうにも医療は、前述のウーバーのように、「サービス自体を他と比べて最終ユーザー(=患者さん)が能動的に選ぶ行為」が普及していないと思っています。
医療における商品が「治療方法」だとすると「Aという治療方法が流行っているのでやってみたい」という声があっても良い気がするのですが、このような主張を持って病院にいらっしゃる患者様はマイナーだと感じています。
むしろ治療が時代と共に移り変わっていくのは医療者側の意見のもとだと思っています(より良い医療を、と変えていくことはとても素敵なことだと思うので決して悪い意味ではありません!)。
どのようにすれば「より良いと最終ユーザーが感じる治療法」が迅速に普及していくのか。
例えば私は東京から実家に帰るために移動するとき「新幹線」「在来線」「バス」「車」の選択肢の中から、手間とお金と渋滞などのリスクを考えて決めます。決められなければ各手段を使ったことのある人に聞いたりします。でも医療に関しては、そんなことを検索したり聞いてみようという発想はあまり一般的ではありません。もし自分で検索して考えられるようなシステムが普及して、乗換検索のように治療法における利点と欠点を知る事が出来て、それが普及したとしたら、医療者にとってはインフォームドコンセント(情報提供の上で合意を取ること)の責任の重さが少し楽になり、患者さんにとっては最新の技術まで自分で知って選択することができるので意外にWIN-WINなシステムになるのではないでしょうか。
完全な妄想ですが、多くの人がモバイルデバイスを使いこなす時代になったからこそ、こういったことも実現できるのではないかと密かに思っております。
櫻井りえ