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業務改善事例・・・タイムアウト式を病棟に導入したら

UPDATE

2019.01.24

手術室では、タイムアウト制度の導入が一般的になってなり、手術の事故防止に役立っていると言われています。

タイムアウトとは手術の要所要所の時間(例えば、麻酔前、執刀前、退室前など)にスタッフが手を止めて現状を確認しあうことです。

このようにいったん手をとめて確認しあうという行為は医療安全の視点から、外科分野だけではなくカテーテル室など内科分野にも広がっています。

 

そういえば、弊社で行っている実践型問題決研修(問題解決研修を実施後、各部署の課題を持ち寄り3ヶ月で問題解決手法を用いて改善をしていく研修)の中でも、病棟の残業の改善で、タイムアウト式を取り入れ改善を行った事例がありました。

それは、午後2時に、スタッフがリーダーに、残務がどのくらいあるかと、自分でできる業務、他人にお願いしたい業務を分けて報告するというものです。

それを受けてリーダーは、業務が時間内に終わるように采配し直します。看護業務は1つ1つのケアの連続です。ケア1つあたりの時間は、経験年数や患者の重症度によってばらつきがありますが算出し自分の頭にインプットしておき申告するのです。

これは、副次的な結果ももたらしました。1つのケアにかかる時間が明確になると、他人と比較しこの業務は時間短縮できるのか?を考えるようになります。当然、単なる時間短縮ではなく、安全、ケアの質の担保の視点を加味して考えることは言うまでもありません。それが、自分の自己成長に繋がるのです。

単に残業を減らすだけではなく、時間短縮と質の向上(自己成長)をセットで考えていくことは大切にしたい改善活動です。

田中智恵子