STAFF EYE'S

スタッフアイズ

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組織を動かす

UPDATE

2019.02.14

我々が依頼を受ける仕事の多くに収支改善がある。簡単に言えば、利益を増やすために収入アップやコスト削減に関する活動を行っていくプロジェクトである。プロジェクトは、現状把握→課題の明確化→解決の方向性→解決策の具体化→実行→モニタリングという流れで進めていくのだが、クライアントとの契約によっては課題を明確にし、解決の方向性、解決策の具体化までを示してくれればいいとうケースもあれば、実行して成果を出すところまで手伝って欲しいというケースもある。弊社の特徴の一つで、“一緒に活動して成果を出す”というものがあるが、今回はこの成果を出すために必要なポイントをお話する。

当たり前のことなのだが、①正しいアウトプットを出す、②組織を動かすポイントを抑える この二つが成果を出す最低条件である。①は、問題解決思考を駆使し、まずはしっかりした分析(ファクト)から正しい課題を導き出すこと。解決策は、解決の方向性を明確に定めることと、何をすればいいのかがわかるようにアクションを細分化することである。そしてそれらの課題解決に向けた難易度/実行度×改善によるインパクトの大きさを整理してマイルストンを明確にしたスケジューリングをすること。短期的に成果を出し院内で結果を共有しながら難易度の高い課題を並行して取り組んでいくというプランである。

次に②について。「何かを実行するには必要な会議に諮ること」というのは手続き上のことであるが、実行し結果を出すには課題毎に押さえるべき人物がおり、その人との合意形成は成果を出すためにはマストとなる。人は、正しい分析(ファクト)があり、論理的に整理されていれば「Yes」となるわけではない。その人自身の立場や考え方や性格もあれば、他部門との関係性など病院の中に居ると多くの要因によって本来正しいであろうことが「No」となったり「条件付きYes」になったりする。そこまでを汲み取り、交渉しながら実行へと移っていくことが大切である。我々のような外部の者がコミュニケーションで失敗するとアウトであるため、問題解決思考をベースとしながら“空気を読む”。シンプルに言うと、相手の立場になってコミュニケーション出来るかどうかで成果は決まると思う。こうして、個別のコミュニケーションを積み上げながら、一つずつの成果を積み上げ、動きながら組織の一体感を醸成していく。まさに組織が動いていることを体感するのである。やっていることはごくごく当たり前の活動の繰り返しであるが、組織は生き物。なかなか難しく、緊張感のある活動である。

坂尾英明