社長ブログ

by 遠山 峰輝

BLOG遠山峰輝のつづる日常

  • UPDATE

    2019.06.09

  • 同族経営

    今週の日経ビジネスの特集は「同族経営」。同族経営は一見、否定的な印象が多いが、経営指標などを見ても実はそうではないことなどが述べられている。同族経営というと、前職であるマッキンゼー時代に行ったプロジェクトを思い出し、懐かしい。クライアントは非上場で、誰でも知っている有名企業である。お題は、会社の発展を考えたときに、同族企業はよいのか?どうあるべきかというような、ある主漠然としたものではあったが、結果的には一族の方々にとっては考え方を整理する上でお役に立てたように記憶している。

    その際にチームで考案したフレームワークが「FOBフレームワーク」と命名したものだ。それは「Family」「Ownership」「Management(Business)」とした3つの輪を五輪のように重ねたものである。この輪の図が今週の日経ビジネスの表紙の図柄になっていたので、なんとなく嬉しかった。この会社は、一族のメンバーが、株式のほとんどを持っており、且つ役員や子会社社長などを独占している。つまり、この3つの輪が限りなく重なりあっている。当時、役員会などに同席すると、正直、話の内容が、一族のことを言っているのか、株主利益としての話なのか、経営の話なのかさっぱり分からず、議論が整理されていなかった。そこで、話のトピックや課題をこの3つの輪で整理する。その話はどこの話なのか、FOBの3つが全てが重なりあう部分のことであるのか、それとも、Bには無関係でFOの重なり部分の話なのかなど。非常に単純なフレームであったが、これが極めて有効であったと記憶している。

    今週の日経ビジネスも、そのポイントは「所有と経営の分離」(FOBを切り分けて考えよということ)である。しかし、当時のクライアントの議論を振り返ると、これがいかに思考的に難しいかがわかる。思考習慣化しているからである。第三者である我々が見ると明確なのだが。公私混同問題も同類であろう。

    ところで日本の医療法人はどのくらいが同族経営なのか?感覚的には極めてその比率が高そうである。医療法人の場合には、FOBの他にもう一つの輪が加わる。D(doctor)だ。医師としての思いか、経営かなど。必ずしも相反するものではないかもしれないが、一旦切り分けて整理することは大事である。医療法人の経営は、ちょっと複雑である。

    遠山峰輝

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