STAFF EYE'S

スタッフアイズ

STAFF EYE'Sスタッフアイズ

看護師の経営参画を考える―現場改善に必要な視点―

UPDATE

2019.06.27

これまでは、看護師は、「病院経営というよりもよいケアを提供する」ということを中心に考える傾向がありましたが、医療を取り巻く環境変化に伴い、看護師の経営への参画が求められるようになりました。

その1つとして、病院の副院長に看護師を登用するところが増えています。日本看護協会の調査では、看護師の副院長職就任率は2006 年は4.2%(135人)、2015 年には9.8%(328人)と伸びでいるとの報告があります。これは、看護師への経営参画の期待の高まりといえるでしょう。

看護師の副院長は、今後ますます、現場へ看護の視点を活かし経営貢献として、看護目標、行動を指示していかなくてはならなくなります。一方で、現場の師長をはじめとするスタッフの意識改革も必要になります。

弊社では、現場のスタッフの育成として中堅の看護師への問題解決研修を実施しております。その狙いは、現場の問題を、単にコインの裏返しではなく、データをもとに、論理立ててて考え、問題解決を実行する力をつけるというものですが、近年、研修のテーマも経営、特にコストを意識したテーマが増えてきています。

看護の現場で看護師ができるコストマネジメントとして、モノと時間があります。モノは、看護の現場で使う診療材料や、衛生材料のコスト、時間は残業時間です。これらは、看護師も改善の必要性を認識し、テーマとして取り上げ、どのように改善できるかを考えています。

 

例えば下記の視点から改善の効果をみていくとよいでしょう。

  1. Quality (医療の質 看護の質)
  2. CS(Customer Satisfaction 患者の満足度)
  3. ES(Employee Satisfaction 従業員満足度)
  4. Profit (収益 コスト)

 

コストを考える場合、単にコストダウンするだけではなく、他の波及効果も加味して効果をみることが大切になります。

田中智恵子