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目の健康とは

UPDATE

2020.01.23

私は元々目が悪く、中学生の頃からメガネをかけています。年末年始に実家へ帰省をした際、両親が老眼鏡を買ったと聞き「そのうち自分も近くも遠くも見えなくなるのか、嫌だなあ」と思っていました。そんな中、先週から隣で同僚が眼科疾患についてリサーチをしており、私も興味で調べてみることにしました。

 

まず視覚障害の原因疾患について。上から、1位:緑内障(28.6%)2位:網膜色素変性(14.0%)3位:糖尿病性網膜症(12.8%)4位:黄斑変性(8.0%)。これは全都道府県を対象に2015年に新規に視覚障害認定を受けた方を調査したものです。

 

1位の緑内障ですが、以前お仕事で製薬会社の方とお話をした際に、罹患患者数に対する治療患者の割合が約3割程度と内科疾患に比べて低いとのお話がありました。また、4位の加齢性黄斑変性ですが、年間の治療薬の消費数から推計した治療患者数と疫学的に推計した全国の罹患者数を比較してみてみます。すると、こちらも罹患患者数に対する治療患者の割合は約2割~から3割程度です。他の疾患も同様の傾向かは推計していないので不明ですが、眼科疾患というのは、掘り起こしの余地のある疾患の可能性があります。

 

では、仮に眼科疾患が罹患患者に対して掘り起こしが行われていないとします。原因を少し考えてみましょう。

1つは症状の分かりづらさ。激痛や嘔吐などが起こるわけでなく、少しずつ霞んで見えたり、視野狭くなったりと自覚し辛いように思います。忙しい中では、放っておいてしまうかもしれません。そして症状が進行し自覚できるようになった時に初めて病院にて診断を受けるのではないでしょうか。

2つ目は発見する機会が少なさ。内科疾患の場合、健康診断、人間ドックで早期発見がされるというケースが考えられます。目に関しても眼底カメラという項目はありますが、オプション項目であり、必ずしも全ての受診者が対象ではないパターンが多いのではないでしょうか。

 

また、加齢性黄斑の年齢別の罹患率をみてみると高齢者になればなるほど、罹患率は増加しています。高齢者程罹患のリスクが増えるようですが、70歳以降の方は会社を退職した方が多く、健康診断の受診率が低いのが現状であります。必要な時期に必要な健康診断を受けていない。生活習慣病の早期予防という意味で健診受診率の向上が叫ばれていますが、人々の目を守るという意味でも受診率の向上という意義はあるのかと思います。

 

井上和樹