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認定看護師の流動化

UPDATE

2020.03.13

病院の経営改善の1つとして、診療報酬の取り漏れや、新規に取れる可能性がある項目について推計をします。現在、看護師の人数や役割によって、診療報酬に影響を及ぼす項目も増えてきました。その中でとりわけ重要な役割を果たす看護師に認定看護師がいます。

 

認定看護師は現在21分野あります。単に資格をとればいいのではなく、活動した成果も求められ、それが資格保持できる要件になっています。

にもかかわらず、同分野の認定看護師が同一病院に複数いるために十分な活動ができない、認定看護師の資格を保持しながら師長であるために、結果認定看護師の役割を果たせない看護師もいると聞きます。

 

このような状況下、現在、関わっている病院で、医療の質を向上させたい、診療報酬の加算をアップしたいと考え、感染の認定看護師が1名欲しいと考えました。これまで 感染防止対策加算290点)を取得していましたが、他の要件が整い、感染防止対策加算1をとり、一気に390点を取得するというものです。(2018年診療報酬改定時)

しかし、その病院には感染の認定看護師は不在であり、どうするかということが課題になりました。

 

一般的には、どの病院も認定看護師は院内の看護師の中から養成してきました。看護師のキャリアアップ、ロールモデルにもなり、結果モチベーションアップにつながるなど、波及効果もあるからでしょう。

 

ところが現在諸般の事情により、養成法が変わる時期にさしかかっており、養成機関が養成を廃止してきているのです。

院内から養成をしようと思っても近くに学校がない状況です。また、養成校に通うには6ヵ月かかります。

 

院内で養成するのではなく、外部採用はできないのか?と考え対策を講じることにしました。

 

このことを契機に、看護師の募集についてリサーチしてみると、「認定看護師」などスペシャリストを募集している病院はいくつかヒットします。

売り手市場が形成されているにも関わらず、どこにどのような人材がいるかが不明です。また、今回は触れませんが、資格取得時のしがらみもあり、同一の病院に複数の認定看護師がいても、動きがないのかもしれません。

資格をとっても十分に活動できない人材もいる中、もう少し認定看護師の流動化ができればいいのではないか。病院間での、人材のトレードなどの仕組みがあってもいいのではないかと思われます。

 

 田中智恵子