STAFF EYE'S

スタッフアイズ

STAFF EYE'Sスタッフアイズ

スモールステップについて

UPDATE

2020.03.27

運動や行動、仕事の仕方等を教えるときには、単純で簡単な動作、行動、行為からゆっくりと始め,それが十分マスターできたところで、基準を少し上げて、より正確に、早く、滑らかにその動作、行動、行為ができるように教えていきます。これを「スモールステップ」呼びます。教える人の中には、スモールステップに従わずに、いきなり、本番さながらの状況下に学ぶ側の人を置いて、教えることを好む人がいます。たとえば、スポーツではスキーの初心者を教えるときにゲレンデの傾斜の急なところに連れて行って、無理やり滑らせる方法をとったりして教える人がいます。ごくまれにそれに適応して、うまく滑れるようになる人もいるかも知れませんが、そうした例外的なケースでない場合は、非常にリスクの高い教え方になります。

病院ではどうでしょうか。例えば地域連携室の新人に開業医周りをしてもらうときに、病院案内のみを持たせて「とにかく沢山の開業医を訪問しなさい。沢山訪問すれば慣れるし、早く出来るようになるから」といって教える人もいます。この場合もごくまれにそれに適応して、うまく訪問できるようになる新人もいますが、それ以外の場合は非常にリスクの高い教え方になります。

両者とも上手くいかないと教わる側に「恐怖心」を植えつける可能性があるということでも問題です。一度、持ってしまった恐怖心を取り除くのには時間がかかるし、その結果として上達も遅くなってしまいます。「人は失敗したときに、よく学ぶ」という主張をする人もいますし、それが事実であるケースもあるかもしれません。しかし、あえて教わる側に失敗をさせると時には失敗のコントロールをしなければ教え手の仕事をしたことにはならないのです。

 

例:診療所訪問のスモールステップ

1.診療所訪問の準備

① 訪問の目的を明確にする

②診療所訪問のために資料を準備する

③診療の内容を読み込む

④診療の説明をプレで行う(説明のイメージトレーニングをする)

⑤電話で訪問の予約をする(プレで実施する。電話の仕方の手順書を作成する)

2.訪問時

①受付で病院名と名前を言って院長を呼んでもらう(プレで実施)

②院長へ挨拶をする(挨拶の仕方を作成する)

③説明可能な時間を聞く

④時間内で説明を行う。終了した挨拶して席を離れる

⑤受付に挨拶をして診療所をでる

3.病院の作業

①訪問報告書を作成する

 

高橋俊一