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情報の波にのまれない方法

UPDATE

2020.04.10

少しセンシティブな話なのですが、先日、田舎に住んでいる母から、「友人からこのようなメールが届いたから気を付けてほしい」とメールが転送されてきました。詳細な文面や企業名、お名前等は伏せますが、内容としては、一言でいうと今回のコロナウイルスについて人々の不安を煽る内容が書かれておりました。文章内には「私は某上場企業の副社長である」、「某病院の医師がいうには、この病院のコロナ病床はコロナウイルスの患者で溢れている」、「某大学の教授が書いた感染予防マニュアルには予防についてこのように書いてある」、だと権威のある方の名前が書かれている。最後には国民の皆様のためにこの文章を拡散してほしいと書かれておりました。

母は友人からそのメールを貰い、東京で一人暮らしをしている私を心配し、そのメールを送ってきたのですが、如何にも人々の不安を煽るチェーンメールのようにも感じ、ただ、母の厚意を無下にもできず、その情報が真実か検証をしてみました。

 

1.某上場企業に○○副社長は存在しない

2.患者も溢れかえってないし、そもそもそこにコロナ病床はない(厚労省データとその現場で勤務している医師の友人に確認済み)

3.某大学の教授は感染症でなく癌の専門家。感染予防マニュアルも大学HP、医中誌、Pubmedにも存在せず。

4.文章に書いてある予防内容は間違ってはいないものの、医療系学生の1年生で学ぶ基本的なこと、いわゆるスタンダードプリコーション(私も学生の時学びました)

 

となり、以上からメールはあまり信憑性のない、純粋な人々の不安を煽る悪質な文章であると判断しました。

 

世の中の不安が非常に強くなっているなか、それを助長させるメールが出回っていることに悲しみを感じつつ、同時にどうしたらそのような情報に惑わされないか。普段私がリサーチの際に必ずすることをベースに整理してみました。

 

1.情報源を確認する

2.調査の定義や調査年月日、調査方法を理解する

3.その情報は実測値なのか、推計値なのか、それらの数値をもとにした誰かの解釈なのか切り分ける

4.他のデータソースのリサーチをし、別アプローチでも同様の結果になるか試してみる

 

の4つです。

今回は、1の情報源確認で概ね済み、一部4の別アプローチ(ヒアリングでの確認)で検証を終えたのですが、これらに共通していることは「それってほんと?」というマインド。情報過多かつ世の中全体が不安になっている今こそ、1つの情報を見聞きしたとき、信憑性について自問自答し、振り回されないように冷静に判断することが必要だと感じました。

 

井上和樹