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時間健康学と業務改善

UPDATE

2020.05.14

COVID-19の影響で、弊社もテレワークが導入されて3週間ほどが経過しました。これまでは、クライアントの病院に行くことで、1週間、1か月のスケジュールが整っていましたが、ほぼ在宅にいることになり、体調をどう整えるかが課題となっています。

まあ、年齢も年齢ですし、無理もできない身体になってきてはいるのですが、どのような生活を送ればいいかを考えるべく、昔学んだ生理学、自律神経に関する書籍をゴールデンウイーク中にいくつか読んでみました。学生時代は基礎医学を深く理解できず、そんなものなのかなと思い、期末ごとの試験や国家試験に合格することが目標になっていたかもしれません。

今、改めで、基礎医学を読み返してみると、「なるほど、そうなっていたのか!」と合点がいくことが多数ありました。自分の身体で不調を経験した上で自律神経を保つことを目標に本を読み進めたため、目的が明確であり、メカニズム、改善策を踏まえた学びとなりました。

 

その中で、最近の書籍で、「時間栄養学」、「時間健康学」というキーワードが眼に留まりました。

簡単に言うと、私たちの体には体内時計が備わっており、1日の中で、血圧、体温、代謝を調整し、その結果、活動や睡眠のリズムが整う。逆に生活のサイクルが乱れると免疫力、抵抗力も落ちてくるというようなメカニズムです。

 

以前、問題解決手法を用いた現場改善で、看護師の勤務シフトの組み方に関する改善を支援したことがありました。その際、交代勤務による健康弊害についての論文を読み「夜勤をする看護師は、生活習慣病や発がんリスクが高い」「改善策として勤務の組み方、夜勤時の仮眠や、夜勤明けの睡眠のとり方の工夫が必要」などの知見をもとに、夜勤の組み方だけではなく、体内時計のコントロール法を教育の中に取り入れて改善を行いました。

 

時間健康学では、ヒヤリハットの原因に、生体リズムが関与しているとの報告もされています。ヒヤリハットの原因を自分の不注意で片付けるのではなく、生体リズムに視点を置き改善活動を行うことも重要なのでしょう。

 

アフターコロナは、働き方、生き方が変わる可能性があります。

業務改善を行う上で、働く人の健康を考えた改善を進めていきたいと思います。

 

田中 智恵子