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「教える」ってどういうこと?

UPDATE

2020.05.29

前回は、教え方の一つであるスモールステップについて記載しました。今回は少し思考を戻してそもそも「教える」ってどういうことかについて記載します。教え方が上手な先生やコーチとして目立っているのは、熱血先生を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。昭和のドラマでもありましたが、「3年B組金八先生」や高校ラクビーの「泣き虫先生」は熱血で生徒の心を動かし成果を出していました。たしかに、熱意は人の心を動かしますが、だからといって熱意を込めれば上手く教えられるかというと、そうではありません。熱意をこめても、そうでなくても教え方がうまい人もいればそうでない人もいます。教え方がヘタなことを熱意でカバーしようとする人もいますが、これでは教えられている人も混乱しています。「頑張ればできる、自分を信じろ」といくら言われても、どう頑張ればいいのか、自分を信じろと言われても・・・、自分を信じるとは「何?」、となってしまいます。

ではどうするのか、「どう頑張ればいいのか」「どう一生懸命やればいいのか」を具体的に指示してあげることが、教える人の仕事です。

「教えたつもり」になっていませんか?教えることにありがちな場面として、「これは前に教えたはずだ。何回説明すればわかるんだ」と言ってしまうことがありませんか?上司であれば部下に対して、先輩であれば後輩に対して、親であれば子に対して、教えたことを理解してくれていないことに対して、相手を責める発言をしてしまいがちです。

しかし、相手ができるようになっていなければ、教えた人は「教えたつもり」になっているだけです。要は「相手が学んでいなければ、教えたことにはならない」ということです。

では、教えたといえる状況はどういう状況でしょうか。

教えた結果、相手がいままで出来なかったことができようになっていれば、「教えた」と言えます。教えるということで大切なことは、「教えられてもいい結果を出せないのは、教えられる側の責任ではなく教える人の責任」であるということです。

教えられる人のやる気がないのなら、やる気を起こさせるのも教える人の仕事です。

髙橋 俊一