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レジ袋有料化は本当に有効だったのか

UPDATE

2021.06.25

2020年7月に容器包装リサイクル法(正式名称は容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)が改正施行されてから、もうすぐ1年となります。1年たって大分慣れてきましたが、ふと考えるところもあります。

 

先週、何の因果か大きな吹き出物がでて、皮膚科に診てもらった後に薬局に行った時の事。ビニール袋は有料ですと申し訳なさそうに言われて、紙の薬袋だけ持って帰るのにも少し抵抗があり、5円支払って購入し帰ってきました。診療所に行くときにいろいろ考えて家を出るにしても、なかなかエコバッグまでは持ちませんよね。

ちなみに薬袋は診療報酬にある使用薬材料の規定で「薬包紙、薬袋の費用は、別に徴収又は請求することはできない」となっているので、ビニール袋までを薬袋として取り扱えば、お金を取る必要はなくなります。「取れない」が正しいかもしれません。薬袋には意外と書かなければならない事項は多いので、ビニール袋のみで薬袋とすることは難しいのですが、必要事項の書かれた紙袋とセットで薬袋とみなせば、解決できます。また、厚生労働省は施行前日の2020年6月30日に事務連絡「レジ袋有料化(プラスチック製買物袋有料化)について」を示し、次のような整理・明確化を行っています。「医療業は、「プラスチック製買物袋の有料化」の対象外である(本取組の対象となるのは小売業に属する事業を行う事業者である)」としています。薬局が利用者の利便性を捨ててでもこの法律に乗る理由があったのか。個人的には年間で数えるほどしか薬局で薬を処方してもらっていないので、日常的にビニールゴミを減らすことに寄与しないことは明らかです。啓蒙が目的というなら、申し訳なさそうにする必要もないだろうに、薬局などがどんな議論を経てあえて有料化に踏み出したのかは知りたいところです。(いつも知りたいことばかりです)

 

さて、本題ですが、この法律は本当に有効だったのでしょうか。環境省は「2020年7月のレジ袋有料化以降、スーパーマーケットなどで受け取りを辞退する人の割合が8割に上る」と、とりまとめています。自分を振り返ると、スーパーなどでの買い物では、折りたためるエコバッグを7割程度使っているので、実感としてはかなり近いものがあります。しかし、私が住んでいる地域では、ゴミ袋としてレジ袋も使えるため、ゴミ出し用のビニール袋が足りなくなり、結局ホームセンターでレジ袋を買うという事態になっています。ビニール袋だけを見るとプラスマイナスは「0」というのが個人的な結果です。ただ、経済産業省は百も承知なのか知りませんが、ホームページで堂々と「これは、普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています」としています。啓蒙こそが大切と考えているらしいので、効果があろうがなかろうがそんなものかとも思えるのですが、啓蒙の結果、昨年と今年でレジ袋ではなく、プラスチックゴミがどのくらい減ったのか、その効果をぜひ「見える化」して、少し不便を味わっている国民に提示してほしいものだと思います。

 

米道利成