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2021年度を振り返って

UPDATE

2022.03.11

弊社は2月決算につき、この3月からまた新たな年度が始まった。昨年度を振り返ると、多くの医療機関に携わった年であったが、例年との違いはいくつかのクリニックの支援も行ったことだ。今回は、これら医療機関への支援内容の一部をご紹介したい。

 

【500床;急性期病院】

典型的な収支改善。課題抽出から改善策立案、実行支援まで。改善課題は、救急受入れ改善や地域医療連携強化、加算取得向上、外来再編(診療体制ならびに支援スタッフの配置見直し)、非常勤効率化(麻酔、手術支援、当直など)、委託費削減、その他意識改革的に事務全員による消耗品削減など。

中でも特徴的なのが、地域医療連携強化。地域連携は、診療所や病院、介護施設に対し、何を訴求してどのような連携を推進するかということだが、介護施設(含む在宅診療所)との連携については、大きく組織を変えて推進している。介護施設連携のための専門部門を立ち上げ、そこに医師を専任(+バックアップ医師数名)で配置した。専用病床とまではいかないが、ある病棟に何床分という感じ。この部門は、〇〇内科など診療の専門性に拘るのではなく、居宅系施設入所者を優先的に受ける部門である。昔、弊社のメンバーが、小児科はあるのに高齢者を扱う専門の診療科が無いのはおかしいと言っていた。まさにこれを実践している。

 

【200床;急性期病院】

病棟看護業務改善。現場はとにかく忙しくて人が足りない!平均残業時間が日勤帯で2時間越え。いつも増員要請をしているという状況下における業務改善。王道的な手法であるが、何にどれだけの時間を使っているのかを把握し、他とのベンチマーキングもしながら改善をしていく。改善の方向性としては、個別業務の効率化(記録の書き方やバイタルチェック回数の見直し、定期処方の運用改善)などや他職種へのシフトなどであるが、特徴的なのは、動きを変えること。今主流になりつつあるのかもしれないが、働く場所を『ナースステーションからベッドサイドへ』の移行である。ナースステーションでの記録や物品補充のための物品庫への移動やスタッフ探しなどの時間の多さを捉え、カート式(屋台式)によるベッドサイド業務への場所シフトである。これはナースコールも減り、患者とスタッフの双方の満足度もアップする。

 

【在宅医療中心の医療法人(在宅診療所、訪問看護、訪問リハ、デイサービスなど)】

グループ本部の経営企画部門への支援としてKPI作成。KPIは、基本コンセプトとして、「経営課題の早期発見」「各種課題の共通認識」「現場レベルへの浸透」という考えの下、「早い!」「安い!」「うまい!」ならぬ「サービスの質」「経済性」「医療の質」という分類で設定。経営には「経済性」が非常に大事であるが、現場目線では、サービスや医療の質にこだわって欲しい。例えば、訪問診療であれば、緊急時連絡に対する訪問実施率(すぐに救急車を依頼しない)などが大事。訪問看護であれば、いかに記録記載時間を短くするかなど。これは結構勉強になった。

 

新年度もこれまで蓄積したノウハウを多くの皆様と共有しつつ、新たなノウハウ習得を目指していきたい。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

坂尾英明