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『批判』と『非難』の大きな違い

UPDATE

2022.05.26

私は仕事の中で、お客様との打ち合わせや社内の会議など、立場の異なる方々が集まって議論する場に同席する機会が多くあり、時には「ディスカッションが荒れる!」という場面に遭遇することがあります。「荒れる!」要因はいくつかありますが、その一つとして、参加者が「批判と非難」の整理をうまくできていない場合があります。

 

「音」としてはよく似た言葉ですが、漢字で書くとその違いは明らかです。このほかに「批評」という言葉もありますが、批評、批判、非難、それぞれの意味は

批評:物事の良し悪しや是非について、評価を述べること

批判:物事の真偽や可否を検討して、判定や判断を述べること

非難:人の欠点や過失・誤った言動などを取り上げて責めること

です。こうして並べると使われる場面が異なる言葉だという事がわかりますね。

 

ポイントは、批評や批判には「人を責める」という意味は含まれていないということです。

ディスカッションの場では、示された提案や意見などに対して、良い所、悪い所をはっきり見分け、評価し、不足を補い、判断をしていきますので、「批判」を参加者で繰り返して、議論を深めていくことになります。この時に、批判を、「非難」と捉えてしまうと議論は本質へ向かわず、表層に感情があふれ出した洪水状態になり、参加者は次々と感情に溺れて、議論は濁流に流され、会議は「荒れる!」ことになります。

その場に、全体を俯瞰し、ロジカルに考えることができるリーダーがいれば、論点の違いを明確にして、感情の洪水状態からメンバーを救い出し、議論の本質を深める方向に導くことができます。これがファシリテーション力というものですね。

 

とはいえ、人間ですから感情はあります。語気が荒くなったり表情が険しくなったり、「そんな言い方をしなくても・・・」と感じる場面は日常茶飯事です。それでも、感情を浴びずに「語りの本質」に焦点を当てると、それが「批判」なのか「非難」なのかを見極めることができます。

議論できる職場、って素敵ですね。ロジカルに考える習慣を身に着けていきましょう。

 

石井富美