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コミュニケーションを取るうえで気をつけたいこと

UPDATE

2022.06.10

最近、知人と日本の医療について話をした時のことである。なぜだか相手と話をしていて時折違和感がある。その理由はすぐに明確になった。私は「日本を先進国である」という前提で話を進めていたが、相手は「日本はもはや先進国ではない」という前提で話を進めていたからである。つまり話題の前提条件の設定そのものがずれていたのである。

そういったコミュニケーションエラーは日常に介在している。私も常々コミュニケーションを取ることの難しさを実感しているが、特に最近は自分の考えていることが伝わらないことや相手の意図が分からないことに気がつく場面が増えた。

その理由としては大きく2つあると考えている。1つは相手と自分は同じ(思考)であると思い込み、一般化して話をしてしまっていること。もう1つは自分の中で整理せずに話してしまっている、ということである。

前者は先ほど述べたお互いの考えのずれによって生じるコミュニケーションエラーである。後者は自身の思考が整理できていないために、結局何が言いたいのか分からないまま終わってしまうパターンである。

相手とのコミュニケーションエラーを防ぐために、まず意識したいことは「相手を知ろうとすること」「伝える目的を明確にすること」である。「相手を知ろうとすること」で自分と相手の視点を近づけることができるだけでなく、相手の反応をみながら話すことができる。また「伝える目的を明確にすること」で何について話すのかを整理することができ、結論がぶれることを防げる。

これらを意識すると、会話をする際に、相手の反応(返答)を受けて、また自分が反応(返答)する、という会話のキャッチボールが成り立つ。

キャッチボールの際に、構えている位置が遠すぎたり近すぎたり、豪速球を投げても成り立たない。会話も同じであると思う。

相手との会話に違和感がある時は、いつもこういった現象が起こっていると考えている。

コミュニケーション能力の高さは多くの場面で求められるスキルではあるが常に「相手を知ろうとすること」「伝える目的を明確にすること」を念頭において、人と意思疎通をすることでその能力を高めていきたい。

 

高田章代