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今も昔も変わらない看護業務の課題

UPDATE

2022.08.01

看護業務は、直接患者に接してケアしている時間(直接看護)と患者に接してない業務内容時間(間接看護)の2つに分かれる。

そして多くの看護師は間接看護時間を減らし、直接看護を増やしたいと考えている。間接看護の主なものは、カルテ等に患者状態を「記録する時間」と勤務を円滑にするためにカルテを読んだり、引継ぎの看護師から患者状態の情報を得たりする「情報収集時間」がある。つまり、分かりやすい記録をし、読む人(次の勤務者)が何をケアすべきが明確になっていれば済む話である。申し送り、記録、情報収集時間は、看護師が減らしたいと考える三大間接看護時間であろう。

 

さて、一体、この間接看護時間は、1日の中でどの程度の時間を占めているのだろうか?これらの時間は、ある病院では、看護師1人あたり、申し送り約15分、情報収集時間30分、記録1.5時間だった。看護師の平均残業時間は20時間弱といわれる(日本看護協会調べ)。1日あたり約1時間とすると、申し送りと情報収集時間が無くなれば、計算上、残業は殆ど無くなることになる。

実は申し送りも情報収集時間も、勤務者が何をケアすべきかを明確にするために慣習的に行われている。

 

そこで、申し送りも情報収集時間も無くして、まず患者のところに行くのはどうだろうか。まず患者を見て、朝のケアをしながら並行的に情報を取って行動すればいいのではないか。そもそも、すべての情報を得てからじゃないと患者のところに行かないのではなく、まず患者のところに行って考えよう!行動しよう!でいいのではないだろうか。

 

今や、移動式の電子カルテ(ノートPC)の中には情報が詰まっている。患者を見て、PCの情報を見て、申し送りを受けるのではなく、わからないことがあれば、逆に前勤務者聞く方法でもいいのではないだろうか。

 

田中智恵子