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医療機関のリファラル採用のすすめ

UPDATE

2023.08.24

労働人口の減少に伴い人材獲得競争がおきている中、注目を集めている採用方法が、従業員が自分の知人・友人を会社に紹介する「リファラル採用」ではないでしょうか。

他の採用法と比較し、求職者は内定を得やすい、採用側は入社率、定着率も高い人材を確保できると言われています。

リファラル採用は、米国で始まり今や米国の多くの企業で採用されています。浸透の理由の1つとして報酬制度の整備があげられるでしょう。

米国の現状をリサーチしてみると、報酬制度にもいろいろなバリエーションがあるようです。

①「賞金」・・・「現金」「金券」などを渡す

②「称賛」・・・表彰などを通して「称賛」する

③「社会貢献」・・・該当した社員の指定する慈善団体へ寄付するなど「社会貢献」する

 

③はさすが米国の風土の影響かもしれませんね。また、称賛の方法も社内で表彰するだけではなく、最近ではSNSで発信し、社内だけではなく社外にも周知する称賛方法を取っているようです。また、報酬に休暇を付与するところもあるようです。

 

日本でも徐々にリファラル採用が増加してきています。現金以外にモノを賞金にしているところもあるようです。(例えば遊園地の入場券、有名ホテルの宿泊券などなど)

あるいは、個人ではなくチーム制にしているところあるようです。特にチーム制というのは、病院などにはなじむかもしれません。

 

医療系の大学や養成所では、実習などで密に学生同士が関わります。学生時代に苦楽を共にした同志は、それぞれが他の場所に就職しても情報交換などを多く実施しています。リファラル採用の制度があると、ふとした会話の中で、「一緒に働いてみない?」などの声掛けがスムーズなるでしょう。

リファラルをすすめる人は、自分の職場に愛着心をもっているため、知り合いを紹介することで同じ方向性をもった仲間が増えていくことで組織が活性化していくことも期待できます。

看護師の離職理由に人間関係が上位にランクインしていますが、リファラル採用が増えることによって、人間関係による離職理由も減少していく可能性もあるかもしれません。

 

ただ、そうはいってもリファラル採用を進めるにあたって各種の整備は重要で、特に報酬に関しては職業安定法第40条により、「労働者の募集に従事する被用者に対して、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合を除き、報酬を与えてはならない」とされています。紹介報酬を検討する場合は、就業規則など規程等に基づく仕組みの導入が必要とされています。

 

規則の整備など面倒なこともありますが、インセンディブや採用後の育成の仕組みなど皆でアイデアを出し合いながら作りあげていくと、モチベーションも上がるのではないでしょうか。

 

田中智恵子