STAFF EYE'S
スタッフアイズ
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UPDATE
2024.11.28
指導者(先生)、上司、先輩、親等から言われた言葉で行動ができなくなったりした経験はないでしょうか。何故人は言われる言葉によってパフォーマンスが上がらなくなってしまうのか。これは子どもに対する調査ではありますがアメリカ・ハーバード大学医学部精神科学教室の研究では暴言によって脳の「聴覚野」が肥大するという結果が発表されています。
脳の「聴覚野」は言葉にかかわる領域で、他人とのコミュニケーションを円滑に行うはたらきを担っています。この「聴覚野」が肥大すると、人の話を聞き取ったり会話をしたりする際に、脳に余計な負荷がかかり、心因性難聴になって情緒不安定になったり、人と関わること自体を恐れるようになったりする場合があるということが証明されています。
私たちが「何気ない一言により、腹が立った」「一気にやる気を失った」という経験には脳の機能によるものだったのです。子供や後輩やスタッフの育成や指導の場面でかける一言が、ポジティブな感情を生み出すのか、ネガティブな感情を生み出すのかは、指導・育成する側の言葉が影響していたことが言えるのです。
例えば「使えないなあ」、「ちゃんと考えた?」等受け入れてもらえていないと感じる言葉を言われると、やる気を無くしてしまったり、自分の意見をいうのをやめたりの思考停止状況に陥ったりします。
ではどのような言葉がパフォーマンスをあげるのか。上記に記載した通り否定的な言葉は相手の脳に入っていきません。そして、相手の気持ちを遮断してしまいます。否定的な言葉を使わず、意識的にポジティブな言葉を発することが大事です。肯定的に受け入れられていると感じる言葉が良いのです。肯定的な言葉の一つとしては「そうだね」という言葉があります。
「そうだね」という言葉はお互いを肯定するポジティブな言葉で相手の脳に入りやすいので、その後の相手の話も受け入れやすくなります。要は相手との会話の中で、考え方が浅いな、出来ていないなと思ったとしても、相手の言っていることを「そうだね」と一度同調して肯定的に受け入れたうえで、会話を始めるとそのあとに何を言うかに関係なく、聞く側は否定される恐怖がなくなり、相手の言うことに興味をもって肯定的に受け止めることができるので、問題点等を指摘されても相手の脳に入りやすくなり、指摘している内容も受け入れやすくなります。よし、行動を変えてみようと考えるようになり、パフォーマンスも上がります。
髙橋俊一