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一般産業界にあって病院にない組織

UPDATE

2018.07.26

皆さんは、他院や企業の組織図を見たことがありますか?
一般産業界(会社)の組織と病院の組織を見比べると、一般産業界にあって病院にない組織がいくつかあります。
それは、戦略室、マーケティング室、お客様相談室などです。最近は、このような組織を備えているところも出てきましたが、
病院ではこれまではなかなか見かけない組織ではないでしょうか。
では、なぜ、これらの組織は病院では必要なかったのでしょうか?
と、その前に。
医療と一般産業界のサービスの違いをマーケティングの4Pというフレームワークで比較してみました。
このフレームワークは、ある製品(サービス)を販売する際、最も望ましい結果を得ることを目的として、複数のマーケティング要素を組み合わせて整理したものです。いろいろなフレームワークがありますが、今日は4Pで考えたいと思います。
マーケティングの4Pとは『Product(製品・商品)、Price(価格)、Promotion(プロモー ション)、Place(流通)』です。
この中の価格ですが、これが一番異なる要素です。一般産業界は、価格を自由に決められますが、医療の場合、自由診療を除いて診療報酬として決められています。つまり、医療は価格を自由に決められないということです。ですので、これまで診療報酬の改定の動きを見ながら対策を講じてきました。
診療報酬改定は、厚生労働省が政策にそって誘導しています。
つまり、病院の場合、戦略は厚生労働省が考え、それに沿って価格が変動していたわけです。
病院では、戦略を立てるというよりも、診療報酬の改定を追うことが主となっていたのではないでしょうか。
しかし、今後は、地域の中での存在価値が問われています。地域の中での特性を見極めた戦略が必要になってきます。
マーケティングですが、これまでは、患者さんは地域の狭いエリアから通院していました。特に、取り立ててプロモーションなどをしなくても、患者さんは「来てくれるもの」という認識があったのではないでしょうか。しかし、交通の発達、遠隔診療、インターネットによる広告など、集患の方法が広がってきました。これらの道具をどう活かすか、病院のマーケティングは今後発展が期待されます。
最後のお客様相談室ですが、企業には、専門の部署を備えています。病院には連携室がありますが、企業のお客様相談室と、連携室では趣旨が異なります。
患者はどこに相談に行けば良いのでしょうか。各部署?投書箱?これまでは、各部署の長が対応をしてきたと思われますが、専門部隊を作ることで、患者さんの声をもとに、サービスを進化させていくこと必要になってくるでしょう。
企業の組織図を見ていると、ユニークな部署を見つけることがあります。組織図で、その会社の方向性を想像してみると結構楽しいものです。
以上 最近、組織図にはまっている 田中智恵子でした。