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使われなかったムダ

UPDATE

2019.03.28

弊社の収支改善支援プログラムの中には様々な内容のものがありますが、その中の一つに医療材料の在庫削減というものがあります。

現在の院内の在庫を適正な値にすると、いくらの費用削減となるかという主旨です。

その中で、「在庫はたくさんあっても今後使われるし、何が問題なの?」とお客様から聞かれることが多々あります。

在庫削減に対してピンとこないのが現状のようです。

 

そこで、在庫が多い事からどんな問題が発生するのか。家庭の冷蔵庫をイメージして整理してみましょう。

 

在庫スペースの増大・・・食材が増えると大きな冷蔵庫を買わなくてはいけない、場所も費用もかさむ

在庫管理業務増大・・・どこに何があるのか確認する時間がかかる、イライラする

在庫量の実態不明・・・どこにどの食材がいくつあるのかわからない

在庫欠品発生・・・カレー粉があるつもりだったのになかった

材料日切れ発生・・・卵があると思ったら、賞味期限が切れていた

正確な消費の未把握からの余計な発注・・・料理中に切らしたし、カレーと卵は多めに買っとこう(卵は日切れしたことも忘れ、最早必要量がよくわからなくなっている)

 

と在庫過多は余計なコストや手間を生むだけでなく、たくさん物はあるのに対し、必要な物はなぜかないという残念な状況を作ります。

 

では、なぜ在庫が増えがちになるのか。どうやら、現場の方々は、欲しい物が無い事に対する不満や不安を強く感じがちのようです。

診療を担っているという、病院ならではの特性がそれをさらに助長させている気がします。

その反面、余った材料、使われなかった材料の無駄に対しては注視していないようです。

これが要因となり、できるだけ材料を確保しようと働いた結果、在庫過多を招き、必要な物が必要な時に必要な場所に供給されないという状況を作りだしていると思われます。

 

これを改善するには消費と現在の在庫、欠品を避けられる量を見極め、それにふさわしい発注を心掛ける事が必要です。

しかしそれ以上に大切なのはマインド、「使われなかったムダ」に対しての意識を個々のスタッフが持つことが重要だと思います。

 

私もお客様の在庫の事ばかり口を出すのではなく、まずは自分の家の冷蔵庫の管理からしっかりせねばと思いました。

井上和樹