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適正な人員の適正な管理

UPDATE

2021.02.12

最近、弊社の複数のクライアントで病棟の適正看護師数について議論になる。

必要看護師数は、法的な規定と病院独自の勤務体制が絡みあうことで決まる。

ただ、上記はロジックさえ理解すれば単純な計算で導きだされる。

それでも、適正数より非常に多くの看護師が病棟に配置されている病院が見受けられる。今まで私自身はそのような病院は、いわゆるガバナンスが正常に機能していない病院なのではと認識していた。

 

しかしながら、なかには、複数部署が看護師数を計算し管理していたにも関わらず、既定の1.5倍以上の看護師が配置されていたケースも存在する。なぜだろうか。

 

ここでのポイントは、「何を基準に、適正の有無を管理していたのか?」である。

例えば

①看護部では病床満床を前提とし、かつ、離職人員を加味して必要人員を規定

②事務部Aでは病床満床を前提とし、必要人員を規定

③事務部Bでは現状の病床稼働率(7割くらい)を前提とし、必要人員を規定

といった具合に、管理する部門ごとに基準が違っていたとする。単純な四則演算だが、そもそもの前提条件が変われば答えも変わる。これでは、なにが適正かわからない。増やすべきか減らすべきか維持するべきかの判断もできないと考えられる。

 

上記解決のための大事なことは、前提条件を病院全体で議論し、共通認識とすることだと思う。本年見込まれる病床稼働率を前提に設定しても良いし、仮に満床を前提とした配置でも良い。病院全体で満床にするための方法を考えれば良いと思う。離職を加味するなら、毎年のサイクルを考え、その分だけプラスとすれば良い。何を基準にするかに正解はないと考えられる。

 

ただ、少なくとも「各人思い思いの適正な人員を押し付けあう」これだけは少なくとも適正な管理とは言えないと思う。

 

井上和樹