社長ブログ

by 遠山 峰輝

BLOG遠山峰輝のつづる日常

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    UPDATE

  • AI時代に必要なコンサルタント

    AIが社会のあらゆる場面に浸透し始めている。この変化の中で、「これからコンサルタントは何を求められるのか?」という問いは、もはや避けて通れないテーマだろう。単純作業が技術の進化により代替されると言われてきたが、今や知的な作業が最もAIに代替されやすいとも言える。当然、コンサル業界も対岸の火事ではない。

    マッキンゼーなど大手コンサルティング会社では、AIコンサルタントの導入が進み、調査や資料作成を担ってきた新卒・若手人材の仕事は、急速にAIへと置き換わりつつある。また、先日の日経新聞では、三菱UFJ銀行が「AI行員」を導入したという記事が掲載された。単なる業務効率化を超え、AIが一人の職員として認知され始めているという象徴的な出来事と言える。では、AI時代のコンサルタントに必要なスキルは何か?遠山は大きく3つあると考えている。

    1. 答えを出す人ではなく、「解くべき質問」を出せる人(質問力)
      AIは優秀な「回答者」だ。正しい問いさえ与えれば、驚くほど精度の高い答えを瞬時に返してくる。だからこそ、人間に求められるのは答えを出す力ではなく、問いを立てる力である。
      例えば救急車の受入のスピードを上げるにはどんな選択肢が論理的に考えられるか?その具体的な事例を教えて欲しいと問いを立てれば、その答えは瞬時に出てくる。AIが無い時代は、この論理的な分解能力がコンサルタントの大事なスキルであったし、ネットや経験を駆使した事例収集力もコンサルタントの価値であったであろう。しかし、もはや答えを出す力はAIにかなわなくなってきている。大事なことは、この病院の経営の全体を考え、救急車の受入スピードを上げることが重要であり、ここを解決すべき!と認識して、問いを立て、AIを活用する能力である。解くべき重要な課題を見極める能力(イシューの定義力という)ということもできるであろう。
    2.  高度な問題解決力(=その場で解決するスピード力)
      コンサルタントは様々なシーンでクライアントと問題解決に関する会話(やりとり)をする。このような時に、その場で翻訳機のようにAIを活用してAIに話をさせるわけにはいかないだろう(少なくてもそのようにAIが使われるようになるには、それ相応の時間を有するであろう)。また、顧客との打ち合わせの場で、曖昧な情報、感情的な発言、組織特有の事情こうした要素を瞬時に咀嚼し、経験と論理を使ってその場で仮説を立て、次の一手を提示する力。これはAIが苦手とする領域だと思う。「一度持ち帰って検討します」ではなく、「その前提であれば、選択肢は3つあります」と即座に返せる。この問題解決のスピード感が、AI時代にはより一層価値を持つ。
    3.  顧客とのインターフェースとしての人間力
      最後は、極めてシンプルだが最も重要な要素──人間力である。経営者が本音を漏らす瞬間、現場責任者が不安を打ち明ける場面、組織の痛みに触れる会話。こうした局面で求められるのは、ロジックだけではなく「人として信頼できるか」だ。AIは共感を“模倣”することはできても、責任を引き受けることはできない。最終判断の重みを共有し、「一緒に背負う」ことができるのは人間だけである。

    AIが進化する時代、「調べるだけの人」「まとめるだけの人」「指示待ちの人」、或いはこうした役割は、確実に不要になる。一方で、「問いを立てられる人」「その場で考え抜ける人」「人として信頼される人」、こうしたコンサルタントの価値は、むしろこれから高まっていくのではないかと思う。

    遠山峰輝

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