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時代に合ったインフォームドコンセントを考える

UPDATE

2022.11.10

看護部の改善を支援している病院がいくつかある。

その中で2年目の支援になるその病院は、改善の良循環が廻り、次々に課題点を出しては改善を続けている。

その病院から、今回、医師のインフォームドコンセント(IC)に看護師が同席することの課題が提起された。医師が家族や患者に説明する際に、看護師が同席するというものだが、

時間が長いことや意味を感じない同席があり、時間の無駄ではないかということである。

 

一般的にIC時の看護師の役割は

・医師の説明を聞いて患者が納得しているか表情や会話などから汲み取り看護に活かす

・発言を第三者として記録に残す(訴訟対策となる)

などと言われており、時間は、1時間超になることもざらにある。

看護師が同席をするのは、長年、病棟の常識となっていたり、医師が「看護師さん同席してよ~」という希望によって同席したりすることもある。

 

この患者への説明だが、昔はムンテラと言っていた。ムンテラとは、ドイツ語で、ムンテラ=Mund (口)ITherapie(治療)の意味である。つまり口頭で治療するという意味だろう。

医療訴訟が増えてきた背景の影響か1990年代頃から、インフォームドコンセント(IC)が使われるようになってきた。患者家族が情報を聞き、納得して合意するという意味である。

 

果たして慣習化している看護師同席の課題をどのように改善をしていくか。

まずは、データ収集から開始していくのであるが・・・

その改善の結果については次回以降に記載したい。

 

一方で、今は、インフォームドコンセント(IC)からインフォームドチョイス 、インフォームド・ディシジョンの時代へと変わってきている。患者が説明を受けた上で選択したり意思決定をしたりするというもので、患者の選択の責任が大きくなり、医療者側は、選択肢を提示しそのメリット・デメリットを説明しなければならない。

そういう意味では、看護師が同席することよりも、どれだけ、意思決定できる情報を分かりやすく出せるかということが課題になってくるのではないだろうか。

 

田中智恵子