STAFF EYE'S

スタッフアイズ

STAFF EYE'Sスタッフアイズ

古いようで新しい。今こそ「問題解決スキル!」で経営改善

UPDATE

2023.03.23

これまで何度か紹介しているが、弊社サービスの教育研修プログラムに「問題解決能力向上」に関する研修がある。この研修は、講義・ケーススタディ中心の“基礎編/応用編”から自分で課題を設定して改善活動を行う“実践編”と問題解決を段階的に学べるようになっている。特徴的なのは後者の“実践編”であるが、今期もいくつかの医療機関で実施し、現場ならではの課題が取り上げられ、大きなインパクトを残した。今回の研修のテーマをいくつか紹介する。

 

HCU稼働率40 pointアップ(看護師)~入室基準の見直し!短期間の活動で年間約3,000万円の増収~

もともと稼働率は40%前後と低迷する中で、稼働アップにチャレンジ。稼働アップは在院日数の長期化は含めず、新規患者の獲得を主として取り組み、各診療科の入室可能性のある患者ポテンシャルを調査・分析の上、実現性を加味して、「麻酔科への入室トリアージの標準化」「整形外科&消化器内科への入室ルーティン症例の明確化」「高齢者医療を捉えた緊急入院に対する入室ルールの明確化」などを、経営会議や医局会への提案など、医師も巻き込み改善活動を実施した。もともと35%の稼働率を75%へ引き上げ、病院の増収のみならず配置された看護業務の活性化にもつながった。

 

不稼働資産の見直しによるコスト削減(臨床工学技士)~管理方法見直しによる台数削減!~

もともと臨床工学科が管理する機器は、輸液ポンプやエコーなどいくつかあるが、一方でベッドサイドモニタなど部門管理しているものもあり、それらの余剰台数に着目した取り組みである。それぞれの機器の稼働状況を調査すると、ほぼすべての機器は、低稼働であるが、稼働ピークに備えて多めに保有するという状況であった。例えば、ある病棟のベッドサイドモニタは4台ある中、稼働状況はほぼ2台が常時稼働しているという状況であり、4台同時に稼働するのはある期間のうちの1~2%の日数のみである。こうして、部門管理している機器を減らし、一部中央管理にすることでピーク時に備える運用に変更した。これで年間300万円超のコスト削減(実際は更新時期に合わせた削減となるが・・・)

 

その他、当プログラムを受講したメンバーが取り組んだ課題は、「未収金の回収~再診無し/救急患者の未然対策が肝」「内視鏡室の収支改善~処置具/消耗品のコスト削減と洗浄/滅菌のローコストオペレーション~」「検診と病院のシナジーの最大化~運用改善による病院受診率向上~」「低線量CTによる肺がん検診の実用化」「リハビリ部門の収入アップ」「在宅/居宅系施設との介護施設連携」などなど全11テーマ。こんな感じで、今期もまた病院スタッフに問題解決スキルを学んでもらいながら色々な問題解決を実践した。

  • 現場には課題が山積みである
  • コツコツ改善/日々改善を積み上げよう
  • そのベースに問題解決スキルがある

 

坂尾英明