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「Almost say No!」→「Always Say YES!」は医療者の行動を変える

UPDATE

2023.05.26

「医療従事者には独特の思考がある」

これは、講演をする時によく使うフレーズなのですが、何故か、「そうだ!そうだ!」とウケがいいものがあります。とりわけ参加者の同意度が高いのが、新しいことをする際、「まず出来ない理由、心配な理由を考える」傾向があるというものです。

何故なのか?医療従事者は、「almost say No!」という出来ない理由から考えることが多いからかもしれません。

「出来ない。もし〇〇が起きたらどうするのですか?」

「難しい。〇〇の問題もあるし、〇〇の問題もある。」

これは、患者さんの命を守るためにまずはリスクを考えるという思考から来ているのでしょうか。

もちろん、命の安全を考えた行動は重要でしょう。

しかし、現場改善などを行う場合、この思考がブレーキをかけることがあります。それをマネジメントする立場になった人は多く経験しているものです。

 

数年前にとある私立の総合病院を訪問した際、スタッフが「Always Say YES!」というバッチをつけており、当時の院長先生とお話した際、「出来ない理由からではなく、何が出来るかを考えよう」というコンセプトのもと、このバッチを作ったと言われていました。

何か新しいことを始める時、「ハイ、わかりました」というポジティブ思考から始めよという意味と思います。組織風土を変えるという意味でも重要なコンセプトだと当時感慨深く思ったものです。

 

看護師の業務改善の研修を行う際、このエピソードを引用して「さあ!まずは、何が出来るか考えてみよう」と突破口にしています。他の病院がやっているのであれば、「自分にもできるかも」と思わせてくれて、思考が柔軟になるようです。

 

まずは、否定せずにやってみる。それでうまく行ったらOK. うまくできなくてもいい。また考えればいい。シャットダウン思考からは脱却したいものです。

田中智恵子