社長ブログ

by 遠山 峰輝

BLOG遠山峰輝のつづる日常

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    2020.02.09

  • 市場原理に基づく医師確保策

    多くの病院から医師確保をどうすればいいかという相談を受ける。これは地方であればあるほど、中小病院であればあるほどよく聞かれる。客観的にみて、本当に医師を増やす必要があるのかと疑いたくなるケースでも、皆、「医師確保」を至上命題のように考えている。このことに関して触れるつもりはない。

    さて、医師確保でも他の産業同様に市場原理が働く。もちろん大学医局の派遣システムなど一見市場原理を歪めているケースもあるが、これも最後は本人の意思で決まると考えれば市場原理の中に含めて考えてもいいのかもしれない。仮に医師を年齢、診療科などでもいいので分けて考えるとすると(医師セグメントとしよう)、市場原理が働く世界では、当然競争が激しい(奪い合い)セグメントとそうでないセグメントが存在する。冒頭でも書いた通り、医師確保と叫ぶのは地方の中小病院である。しかし、残念ながら、これらの病院から医師確保策の相談を受ける際に、このセグメントを明確に語られるケースは少ない。そういう場合には大抵、「うちのような中小病院には大学が派遣してくれない、どうすればいいのか」となる。医師セグメントという視点に立てば、大学からの派遣など年齢の比較的若いバリバリ働く医師?は非常に競争が激しいセグメントである。そして彼らの意思決定基準は「症例が多くできる、自己成長できる」ということになるだろう。ところで地方の中小病院はこのような医師が必要なのか?倍率が高いところで競いあう必要がそもそもあるのだろうか。おそらく、これらの病院には高齢患者が多く、手術などは必要ない。これらに必要な医師はむしろ前線を退いた高齢者の医師かもしれない。彼らの意思決定基準は成長よりもライフスタイルである。このセグメントは競争が激しくなく、チャンスなのではないだろうか。一つの例であるが、競争を避けるのも重要な医師確保戦略である。

    遠山峰輝

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