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問題解決研修 ~タスクシェアリング~

UPDATE

2020.07.10

コロナの影響で、対面の研修が中止になったり、行う場合はリモートで行うなどwithコロナの時代は、私たちにこれまでのやり方を変えよと言っています。

イーラニングでOKな研修もあれば、対面で行うほうがいい研修もあり、まだまだ過渡期と言えます。

 

そのような状況下、先日、毎年行っている某大学病院で、出来るだけ、メールでのやり取り等で準備を整え、問題解決研修を実施してきました。

この研修は、問題発見、課題定義 原因分析 解決策立案、実行 評価、発表の一連を行うものです。

この病院では、実践研修として2年をサイクルとして実施しています。

1年目

問題解決研修を4回学びます。その内容は、例えば次のようなものです。基礎編、応用編1(ケースとして身近な事例など医療とは関係のないケースから学ぶ)、応用編2(ケースとして医療の事例)。発展編(ロジカルコミュニケ―ションプレゼンテーション)

2年目

1年目で学んだことを活かし、自部署の課題を半年で解決し発表し、一部は学会発表にエントリーします。

 

今回は、2年目の第1回目です。解決する問題を自部署で考えてきてもらい、問題を明確にするために、仮説をディスカッションし、さらにどのようなデータをとればいいかを議論するフェーズでした。

 

ある病棟からは「処方薬の分包準備等に時間がかかっている」との課題があげられました。

どの病院でも課題にあがるのですが、その原因の1つに医師の処方する時間、処方方法があります。病院では「医師は〇時までに処方をする」いうルールがあるのですが、それが守られないことが多いのです。そうすると、処方時間が遅れる⇒薬局の処方準備が遅れる⇒病棟に到着する時間が遅くなる⇒看護師が残業して分包作業を行うということが起きるのです。

それだけではなく、医師の処方箋の出し方によって、さらには、誤薬も増加するのではとの仮説が考えられました。

 

今後、データを取りながら検証していきますが、

・処方日には、処方に関する看護師の業務が2時間かかっている。

・処方箋の改善により60%程度の誤薬はなくなるのでは

と考えられました。

今後データをとりながら解決をしていきます。

 

そもそも、処方は医師しかできないのですが、タスクシェア、タスクシフトとして、改善が見込まれるのではないかと思われます。

 

医療従事者の働き方に関しては、平成29年に「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の報告書がなされ、その後、「医師の働き方改革に関する検討会」へと進んできて、医療スタッフ間のタスクシフト・タスクシェアリングに関して複数の提案がされてきています。

しかし、まだ厚生労働省内での議論で、なかなか現場の改善まで至っていないのが現状と思われます。

 

今回の課題解決のテーマは、他部署に関わる課題も多く出され、医療スタッフ間のタスクシフト・タスクシェアリングも考えながら改善を考えていきたいと思います。

田中智恵子