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「教える」上でやる気を持続させるための考え方―運動スキルを教える

UPDATE

2020.07.22

運動スキルというとスポーツ競技を連想してしまう方が多いと思いますが、運動スキルとは「上手な字の書き方を教える」、「正しい箸のもち方を教える」、「新人に挨拶や名刺交換の仕方を教える」、「新人看護師に患者さんへの点滴の仕方を教える」、「助手さんにメッドメイクの仕方を教える」、「100mの走り方を教える」など身体の手や脚の運動機能を使用して行う行動をいいます。運動スキルを教えるためには、やさしいレベルから始める「スモールステップ」と行動した直後に実施結果の状況の情報を伝える「即時フィードバック」を使うとどんなことでも教えることが出来ます。ただし、内容によってはマスターするまでに時間がかかるものもあります。看護技術等については同じように「スモールステップ」で教えていても出来ようになるまでに人によって時間のかかり方が違ってきます。マスターするまでに時間がかかる運動スキルについては、その行動をいかにして持続させるかということがポイントになります。

ここで、相手の行動を持続されることを「強化」と呼びます。例えば、「オーケー、できているよ」という即時フィードバックは、強化になります。要はその言葉を聴いて「よし、もう少しがんばろう」と思うからです。やる気を継続させるためには、教わっている人が常に「がんばろう」と思う気持ちを持ち続けさせることです。一つの方法としては、習得してもらいたい技術がある場合、その技術を行う上での行動を細かく分解して、分解した行動を 「行動チェックシート」等を作成して教わっている側がどこまで出来ているのかを分かるようにすることです。その上で一つ一つの行動が終了するごとに「即時フィードバック」をしてあげることです。

髙橋俊一